棟方志功の書を紹介します。
棟方志功は、日本を代表する洋画家で、多くの作品を残していますが、やはり活き活きとした生命感に溢れる木版画が一番人気があります。「版画」を「板画」と称し、板の声を聞き、板に魂を込めて作品作りを続けました。その一方で、このような「書」にも名品の数々を残しています。書法や画法にとらわれない表現の自由さと、他に類を見ない独自性が特徴です。特に大字に優れたものがあり、体全体でぶつかるような文字の力は見る者の心を強く揺さぶります。「乾坤」とは天と地の意味で、生きとし生けるもの全てに対する熱い思いが伝わってくるような、深い味わいがありますね。彼のこのような、書も高く評価させて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。しかしながら、やはり、棟方志功と言えば、綺麗に彩色が施された美人画の木版画が高価買取対象となります。やはり、同じ作家の作品でも、書画や小さい作品よりも、何日、何ヶ月もかけて描かれた大きなサイズの力作の方が、断然高価に買取できます。価格が10倍、20倍と違ってくるのは当然のことかと思います。良い例として、祇園のお茶屋さんに売却依頼で伺った際の話を紹介します。昔から一見さんお断りの風習がある祇園街には、著名な人々、有名な作家が多く訪れます。ある 著名 な作家さんがお帰るときに「今日は持ち合わせがないので」と、襖に簡単な水墨画を描かれ、「今日の払いはこれにて」と、帰られたそうです。当店地元の祇園街では、このような面白い逸話や粋な作品が残されております。作家の作品と一口に言ってもいろいろあるものです。制作年代や題材、出来栄えにより、価格は違いますので、お気軽にご相談ください。61.2×40.3cmサイズの、紙に描かれた水墨で書かれています。(No.48)