金工作品の刀装具の骨董品売却依頼を頂き、愛知県豊田市まで出張して数点の鍔や小柄、縁頭をお譲り頂きました。
売却例の説明
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縁 横幅約 3.7cm 縦幅約 2.1cm 厚み約 1cm
柄頭 横幅約 3.3cm 縦幅約 1.6cm 厚み約 0.5cm
先に品物を紹介させて頂きます。時代は江戸時代のものだと思われます。赤銅 の地肌に魚子地の地模様の 彫金細工 や、蟻の象嵌細工が 細密 で丁寧に施され、日本の職人技の素晴らしさが窺える 名品 です。このような細かい 魚子地、また丁寧で 細密 な 象嵌細工 の蟻の 図柄 は、伝承 された日本の 金工作品 を代表する名品と言っても良く、このような作品は売却価格も高価買取させて頂きます。「皆山應起」と 銘 が入っており、大月光興の門人で、篤興、秀興、天光堂秀国、月山などと並び、大月派を代表する金工作家で、技術が高い優工です。このような象嵌細工や彫金細工は日本の 骨董品 を代表する細工で、刀装具や 茶道具 にも用いられている事があります。長年の時代を経てきた重みのある風格が見られる作品で、ご覧のように、保存状態 の良い品物です。採光の加減で白く光っております。このような 刀装具 の縁・柄頭は高価に売却頂けます。
このような刀装具はもっと素晴らしい 技法 があり紹介します。銅に3%から5%の金を加えた合金です。金を4%加えた4分差しや、3%加えた3分差しなど色々あります。金を5%加えた五分差しは、青みがかった黒になり、カラスの濡れ羽色と言われており、このような製法を使った作品では、海野勝珉の作品や後藤家の赤銅もこの五分差しを使用しております。色調は青紫がかった黒色を呈しており「赤銅色の肌」などと使われる色は、黒に近いという意味です。赤銅 が黒く見えるのは、煮色上げした銅の表面に付いた金の微粒子が明度を低下させることで黒っぽく感じるようになります。この色合いは、日本独自の 金工細工 で、世界中の 愛好家 から注目されています。
このお客様のご事情は、お寺の本山があり京都には何度か足を運ばれそのついでにと祇園骨董街の観光もしていましたと話され来店頂きました。ゆっくりお店をご覧いただき、納得されたご様子で、お帰り頂きました。後日、「実家に沢山ある刀装具の 鍔 や 小柄 を買取って下さい」とお電話を頂き地元の愛知県の豊田市まで出張させて頂きました。