茶入蓋

茶入蓋 ( ちゃいれぶた )

茶入とは中国南部地方で薬味を入れる小壷を対明貿易や南蛮貿易によって舶載され当時の数奇者たちによって漢作といい唐物といって愛玩されました。
茶入にとって最も重要な役目は「蓋」であります。
茶が湿るのを防いだり、異物が混入することを防ぐためであり古くは木蓋、角蓋その素材は色々ありました。
茶入が道具としてその端正で優雅な姿を表現するために牙蓋を用いるようになりました。
象牙のもつやわらかい色彩と肌合が気品さを増し優美な姿を現わすからです。
特に蓋は佗茶の精神と調和しいっそう品格を高めるため当時の数奇者から利休時代以後、大名茶人達はきそって蓋を好みました。
蓋とは象牙の芯が表面に現われ佗びた景色を表現したものを云います。
特に小堀遠州は彼の美意識を牙蓋にも発揮し牙蓋師、半清、立佐などに独創的な形式を数多く製作させました。
又、牙蓋の裏には金箔を張ります。
金箔は茶入に毒物が混入されると色が変色し、危険を知らせるため必要とされました。
それと茶入の口造りは織細なため欠けやすく、疵を防ぐために金箔を張り、クッションの役目をはたすためです。
ですから金箔は双方の役割をしているのです。
茶入は牙蓋により雰囲気が千変万化の姿を表現致します。
その時代々の数奇者は好みの牙蓋と仕覆を付属させて美意識を高めました。
桃山時代から江戸時代中期にかけての数奇者は牙蓋にかなりの関心を寄せており、当時象牙は大変貴重で高価にかかわらず注文致しました。
それだけ蓋への美的志向が強かった訳です。
現代の関心の低さに比較すると相当な違いがあります。
現代の茶道愛好者の方々に茶入蓋の重要性を認識いただければ幸いです。