黒瀬宗世の詳しい説明と 買取

黒瀬宗世は、鉄打出の名工であった山田宗美の筆頭弟子。鉄板を叩いて打出し、形を作り上げていく独特の技法で制作された、継ぎ目もなく、打出した痕跡すら感じさせない滑らかな曲線が優美な作品は、たいへん人気がある。置物から、香炉茶托、菓子皿、鉄瓶など多くの作品を手掛けた。
黒瀬宗世は「鍛鉄」という固くて延展性に乏しい鉄を金槌で打ちながら成形していく技法で作品を制作しており、鍛鉄は刀の鍛え方として知られている。黒瀬宗世を含め、この時代に活躍した明珍派の甲冑師達は、本物の動物達と同じように関節や羽根が動く 自在置物 という作品を作り出した事も有名である。
山田宗美の 展覧会 で、共に展示されることもあるが、作品数も少なく貴重で、市場では高額で取引されている。
山田宗美が20歳の時に創案した、「鉄打出」の技法とは、一枚の鉄板から彫刻的な立体造形をつくる技。一枚の極薄い鉄板を、均一の厚さを保ちながら、金鎚を使って、打ちのばし、打ち絞り、精巧な立体造形をつくりだす宗美独自の鍛金技法である。作品の数々は内外の展覧会で入賞を重ね、宮内省ご用品、海外美術館収蔵品となるなど、山田宗美は明治期の美術工芸界に偉大な足跡を残した。黒瀬宗世は、その技を受け継いだ 弟子 であるが、資料などは現在に伝わっておらず、再現不能である。生没年未詳。

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