荒木東明の詳しい説明と 買取
江戸後期~明治時代に活躍した刀装具の金工家で、後藤一乗の門人。
米商と貸物屋を営む与平の長男として京都十二組大猪熊町に生まれた。
初名を秀信といい、のちに芳之進となる。
初銘は秀信、別銘に吟松亭、白玉堂、晩年には基仲と号した。
13歳で最初の師、後藤東乗に師事した。
後年は、後藤一乗の門下となり、東乗からは「東」の字を許され「東明」となり、一乗からは「一」の字を貰い「一斎」の工銘を許されるようになる。
門人に義照や明祥がいる。
粟穂図を得意とし草花、風景、人物など図を彫る。
作品は鐔、縁頭、目貫などで、そのほとんどに「東明」あるいは「一斎東明」と刻んでいる。
技術的才能から見れば門人中最高というわけではなかったが、刀剣の装飾金具に粟穂を意匠として用いるのを得意とし、粟穂図に関しては東明の独壇場といわれる。
「粟穂に於いては吾、遠く及ばず」と師・一乗に言わしめたほどである。
粟穂の彫刻は、東明一流の特技といえ、画工林蘭雅との交際によってその下絵ができたものという。
たわわに実った粟穂を特殊鏨で精巧かつ写実的に表している金工作品は現代でも人気で、広く知られている。
明治3年4月19日死去、53歳。
代表的作品に「粟穂図揃金具」(個人蔵)がある。
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