表千家家元の詳しい説明と 買取
茶道流派の一つで、千利休を祖とする千家の家督を継いだ千家流茶道の本家。
宗家は京都市上京区小川通寺之内通上るにある。
裏千家、武者小路千家とともに三千家と呼ばれており、利休の 別号 である「不審庵」の名で通称されている。
現在の 家元 は、千利休から数えて、十五代目の猶有斎千宗左家元。
代々の家元は紀州藩主・紀州徳川家(御三家)の 茶頭 として格式を誇り、紀州徳川家と強いつながりのある三井家とも縁があった。
表千家家元 歴代
千利休の没後、傍系の二代千少庵(後妻の連子)の後を継いだ三代千宗旦が京都に屋敷を構え、三男の宗左に 家督 を継がせ 表千家 が本家となった。
次男宗守・四男宗室にそれぞれ武者小路千家・裏千家 を興させたのが三千家の始まりで、各家ともに家元は利休を初代として数える。
表千家の 家元 は四代である江岑の諱「宗左」を受け継ぎ、家元後嗣(若宗匠)は「宗員」、隠居してからは元伯の諱「宗旦」を名乗る 伝統 である。
四代江岑宗左から明治に至るまで、表千家の歴代家元は紀州徳川家の茶頭として仕え、中級武士並の二百石の禄を受けた。
五代随流斎は江岑宗左の養子となり、1673年に家元を 襲名 し、茶の湯 の覚書「随流斎延紙ノ書」を遺した。
六代覚々斎は12歳頃に随流斎の養子となり、表千家を継ぎ、養父亡き後、叔父藤村庸軒の薫陶を受け、紀州家に仕え、徳川吉宗に茶を教えた。
1723年、吉宗より唐津焼の桑原茶碗を拝領し、表千家の家宝となっている。
七代如心斎は中興の祖といわれ、弟の一燈宗室や川上不白、中村宗哲、堀内宗心、無学和尚、三井八郎右衛門達と協議し七事式を制定し、1740年には利休百五十回忌の 茶会 を催した。
八代啐啄斎は如心斎の長男で、父親の死後、川上不白達の後見を受けて、叔父である 裏千家 八代一燈宗室に 師事 した。
1788年、天明の大火で数々の茶室がすべて焼失したが、1789年には再建し、利休二百回忌の茶会を催した。
九代了々斎は久田宗渓の子で、啐啄斎宗左の婿養子となり、紀州藩主徳川治宝の庇護を受け、1819年に十代樂旦入とともに紀州偕楽園焼の製陶に携わった。
十代吸江斎は久田宗也の子で了々斎の甥で、10歳の時、紀州藩主徳川治宝に出仕し、了々斎についで、紀州偕楽園焼きに携わり、1839年には利休二百五十回忌の茶会を催した。
十一代碌々斎は吸江斎の長男で、1855年に家元を襲名するが、明治維新 を迎え、紀州徳川家への出仕も終了し苦難の時代を過ごした。
家元としての古格を保ちながら茶道復興に尽力し、1890年には利休三百回忌の茶会を催した。
十二代惺斎は碌々斎宗左の長男で、1892年に家元を襲名、1906年の火災で家元の大半の建物を焼失するも再建に努め、1913年には不審菴を再興し、1921年に松風楼を増築した。
明治後半より昭和初期にかけて茶道界は隆盛期となり、惺斎の好物は歴代の中でも多く、千家十職 以外の工芸家や各地方の国焼育成にも尽力した。
十三代即中斎は惺斎宗左の次男で、父が亡くなる前年に兄の不言斎宗員が急逝した為、1937年に家元を襲名し、1940年には利休三百五十回忌の茶会を催した。
太平洋戦争中は茶道界も低迷したが、家元の古格や 伝統 を保持する事に尽力し、社団法人表千家同門会や財団法人不審菴を設立した。
十四代而妙斎は即中斎の長男で、1980年に家元を襲名し、1990年には利休四百回忌の茶事を催した。
2008年、京都市 文化功労者 として表彰を受章、2018年2月28日の最晩年に隠居した。
十五代猶有斎は当代の家元で、2018年に家元を襲名し、同志社大学で茶道に関わる研究を行い、芸術学博士の学位を授与された。
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