玉楮象谷の主な出来事や漆芸作品の年表と 買取
1806(文化3)年 藤川理右衛門の長男として、高松(讃岐国)に生まれる。
本名を藤川為造、通称を正直・敬造。祖父は、鞘塗師で藤川理左衛門。
父・藤川敬三も家業を継いでおり、象谷は父の指導の下で修練を重ね、彫刻を学ぶ。
若い頃から父のもとで鞘塗りを修業するかたわら鎌倉彫風の木彫や、彫漆の研究に専念した。
1826(文政9)年 京都に遊学し、永樂保全や大綱宗彦を始めとした、
塗師や彫刻師、絵師、焼き物師などの著名人と交友を広める。
特に陶芸家として有名な永楽保全とは気が合い、保全の親友で大徳寺の高僧、大綱和尚とも親交を深める。
彫漆、存清、蒟醤等を研究して独自の技法を創案する。
1856(安政3)年 この頃、讃岐国高松藩9代藩主・松平頼恕に優れた技術を認められ、30歳で帯刀を許される。
1860(安政7)年 34歳で献上した犀角印籠が素晴らしい出来栄えであった事から「玉楮」姓を賜る。
中国宋代の名工である「玉」が3年を掛けて「楮」の葉形盆を造って皇帝に献上し、
工人として召し抱えられたという故事に由来する。
嘉永年間、アメリカの黒船が寒川の志度浦を訪れたときに象谷作の大盆が艦長へ送られ、艦長は大いに感謝したといわれる。
1869(明治2)年 逝去。64歳。
蒟醤と存清の技法は研究を重ね、独自の創意工夫をこらしてわが国でも先例のない技法を開き、漆芸技法の基礎を築き上げた。
象谷塗や讃岐彫と称される香川漆芸の礎を築き上げた始祖。
格式高く、郷土愛も感じさせる香川漆器の源流を作り、香川県における漆工の歴史を深く広めた貢献者。
高松市内中央公園の一角には象谷翁の銅像が建立され、毎年春には「玉楮象谷忌茶会」が盛大に催されている。
象谷翁の作、蒟醤の「料紙箱並硯箱」、松平公益会保存の「堆朱鼓箱」等は現在国の重要美術品に指定され、
高松城にある松平公益会記念館に保存されている。
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