初代　　秦蔵六（1823年（文政6）～1890年（明治23））
1823年　山城国愛宕郡生まれ。
　　　　初名は米蔵。
　　　　蝋型鋳造を得意とし、
　　　　中国古銅器の模作で知られる。
1845年　22歳のとき京都に出て、2代龍文堂の弟子となり鋳造技術を学ぶ。
　　　　23歳で師家を辞してもっぱら中国周漢時代の古銅器について撥蠟法を研究して、
　　　　蠟型鋳造を得意とした。
　　　　また大和地方を巡歴し、古代の金工作品を観賞、和漢の古作品を研究した。
　　　　孝明天皇の銅印、将軍徳川慶喜の征夷大将軍の黄金印を鋳造する。
1873年　明治天皇の御璽国璽を鋳造。
1890年　逝去。
　　　　代表作に「鼎形花瓶」。

二代　　秦蔵六（生没年不詳）

三代　　秦蔵六（1882年（明治15）〜1934（昭和9））
1882年　生まれ
　　　　二代蔵六の三男。
　　　　二代蔵六に師事する。
1934年　逝去。
　　　　京都金工名誉会長。

四代　　秦蔵六（1898年（明治31）〜1984（昭和59））
1898年　生まれる。
　　　　二代秦蔵六に師事し、鋳金家としての基礎を学び、鋳造 の技を磨いた。
　　　　技術保存資格者。
　　　　京都金属工芸協会長。
           　混沌とした時代を常に最先端に駆け抜けた。
            　4代目を襲名した後には、
            　鋳金家という家系を守り、造形美に溢れたあらたな世界観を表現した、
            　美しい金工作品を残す。
            　『純錫罐座』 『塗金銅花器 立鼓式』などが代表作品。
            　東京や大阪を中心に個展を開催し、その高い技術を披露し、自らの 金工作品 を数多く世に広めた。
            　 1984年　逝去。

五代　　秦蔵六（生没年不詳）

六代　　秦蔵六（1952年（昭和27）〜　）　
1952年　五代の息子として生まれる。本名を恒造。
1974年　同志社大学文学部卒業。
            　五代秦蔵六に 師事 し、伝統の鋳金技法を身につける。
　　　　古代中国器の意匠から美のエッセンスを抽出し、現代性を加味した個性豊かな青銅器を創作する。
　　　　また、時を経て金箔が剥がれ落ちたような意匠は、6代独自の 作風。
　　　　京都金属工芸協同組合理事長。