杉山寧 略歴

昊

東京浅草に文房具店を営む杉山卯吉の長男として生まれる。本籍地は神奈川県。
1928年、東京美術学校（現・東京藝術大学）に入学。
山本丘人、高山辰雄らと「瑠爽画社」を結成、日本画 の革新をめざす運動に携わる。
1929年、帝展に出品、1931年、美校日本画科卒、結城素明に 師事。
1931年（昭和6）に、第12回帝展「水辺」が初入選する。
1932年（昭和7）、第13回 帝展 にて「磯」が特選となり、重ね頭角を現す。
1933年（昭和8）同校を首席で卒業、在学中に 師事 した松岡映丘が主宰する研究会「木之華社」の例会に時折出席するようになる。1934年、第14回帝展に出品した「海女」が再び特選となる。
この作品は、卓抜した描写力と構成力とともに、清新な感覚で描かれた作品であり、戦前期の 画風 の特色をよくつたえている。またこの年、松岡映丘門下の有志とともに「瑠爽画社」を結成。
1935年、瑠爽画社の同人とともに銀座資生堂ギャラリーにおいて第１回展を開催。
中国大陸を旅行、ことに雲岡石窟寺院では、約半月にわたり石仏の写生に励んだ。
1938年に肺結核を病む。1943年、朝鮮満洲支那へ取材旅行へ行くが、その後は病のために長く創作活動が止まる。
1947年に日展特選、1950年には日展 審査員。1951年にギリシャ神話をテーマとした「エウロペ」を日展に出展して、本格的に 画壇 に復帰し、その第一歩を踏み出した。以降、作風 を一新した絵画を意欲的に発表する。
1956年、日本芸術院賞 受賞、1958年、日展 評議員。1970年、日本芸術院会員。1974年、文化功労者、文化勲章 受章。
1958年6月、長女・瑤子が三島由紀夫と結婚。三島は瑤子を選んだ理由について「芸術家の娘だから、芸術家に対して何ら幻想を抱いていないこと」を挙げた。実際は瑤子は似合いの際に一目で三嶋を気に入り、結婚を強く希望した為に、両家話し合いの末結婚と成った。
1969年に日展常務理事となり、1974年に日展 理事 長に就任。1976年、西ドイツより大功労十字勲受章、この年、日展 を退会するが、請われて 顧問 に就任した。多くの画会に参加、そのつど新作を発表した。1977年、東京国立近代美術館 評議員。1991年に東京都名誉都民になる。1956年（昭和31）４月から1986年（昭和57）12月号までの30年間、「文藝春秋」の表紙画を描いた。

1957年、第12回 日展 出品の「孔雀」（東京国立近代美術館蔵）に対して、同13回 日本芸術院 賞を送られる。
この作品は、緊張感のある画面構成ながら、新鮮な華やかさをもった作品で、中期の代表作となった。
しかし、1961年の沖縄旅行、翌年のエジプト、ヨーロッパ旅行を契機に、それまでの平明な自然描写にかわって、重厚なマチエールによって自然を 抽象 化する傾向を強め、また「穹」（1964年、東京国立近代美術館蔵）に代表されるように、エジプトの古代 遺跡 を題材に象徴的な画面づくりに向かっていった。1973年頃から、夢幻的な空間の中に裸婦、鳥、動物を配した作品へと展開していった。
1974年に 文化勲章 を受章。1978年、1979年に中近東に旅行し、トルコのカッパドキアの 遺跡 や風物など、その折の取材をもとにした作品が生まれた。1993年の誕生日の朝に没した、享年84歳。亡くなる直前まで、納得いくまで絵を修正し続けるなど完璧主義者としても知られた。死後、従三位に叙せられる。墓は寛永寺谷中墓地にある。戦前は日本画の 技法 を極めた超絶 技巧 で知られたが、戦後は岩絵具を用いながらも線描などの日本画の技法を一新し、メチエールにこだわった独自の 作風 を確立した。またエジプトやインドなどの古代遺跡や、抽象 画や裸婦など従来の日本画にはなかった題材も手掛けた。抽象絵画に対抗しうる強さを持った日本画の国際性に直面した戦後、洋画 に対抗しうる強さを持った 日本画 を目指した。長い闘病中に貯蓄した力を奔流のように表出させ、知的な空間処理とたくましい造形感覚の作品で日本 画壇 をリードしていった。

杉山寧の主な出来事や作品の年表

1928年、東京美術学校（現・東京藝術大学）に入学。
山本丘人、高山辰雄らと「瑠爽画社」を結成、日本画 の革新をめざす運動に携わる。
1929年、帝展 に出品。
1931年、美校 日本画 科卒、結城素明に 師事。
1931年、第12回 帝展「水辺」が初入選する。
1932年、第13回帝展にて「磯」が特選となり、重ね頭角を現す。
1933年、同校を首席で卒業、在学中に 師事 した松岡映丘が主宰する研究会「木之華社」の例会に時折出席するようになる。
1934年、第14回帝展に出品した「海女」が再び特選となる。
松岡映丘門下の有志とともに「瑠爽画社」を結成。
1935年、瑠爽画社の同人とともに銀座資生堂ギャラリーにおいて第１回展を開催。
中国大陸を旅行、ことに雲岡石窟寺院では、約半月にわたり石仏の写生に励んだ。
1938年に肺結核を病む。
1943年、朝鮮満洲支那へ取材旅行。その後は病のために長く創作活動が止まる。
1947年に日展特選。
1950年、日展 審査員。
1951年にギリシャ神話をテーマとした「エウロペ」を日展に出展して、本格的に 画壇 に復帰し、その第一歩を踏み出した。
東京美術学校出身の橋本明治、山本丘人、著名な作家の東山魁夷等とともに、画会「未更会」を発足。
1956年、日本芸術院賞 受賞。
1958年、日展 評議員。
1970年、日本芸術院 会員。
1974年、文化功労者、文化勲章 受章。
1969年、日展常務 理事。
1974年、日展 理事 長に就任。
1976年、西ドイツより大功労十字勲章受章。
1977年、東京国立近代美術館 評議員。
1991年、東京都名誉都民になる。
1956年から1986年12月号まで『文藝春秋』の表紙画を描いた。
1957年、第１２回 日展 出品の「孔雀」（東京国立近代美術館蔵）に対して、同１３回 日本芸術院賞 を送られる。
1973年頃から、夢幻的な空間の中に裸婦、鳥、動物を配した作品へと展開していった。
中近東に旅行し、トルコのカッパドキアの 遺跡 や風物など、その折の取材をもとにした作品が生まれた。
1976年、日展を退会、しかし請われて 顧問 に就任した。
1993年、死去。享年84歳。

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